彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアムで開催している「魔法かもしれない」展へ、私と娘、プラス私の母と5歳の甥っ子の計4人で行ってきました。

この展覧会、「見えないものを見る」をコンセプトに、日本を代表するメディアアーティスト、八谷和彦さんの三つの体験型インスタレーション作品、『フェアリーファインダー』シリーズ《コロボックルのテーブル》と《フェザードフレンド》、『見ることは信じること』、『視聴覚交換マシン』で構成されていました。

思っていたよりも小規模な展示で、映像ミュージアムという、映像の原理・歴史やテレビ・映画の仕組みが学べる科学館の一室を使って開催していました。
残念ながら、この展示のメインである『視聴覚交換マシン』の体験は、小学校高学年以上からしか体験できなかったので、私達は、参加できず、体験している人の姿を見ているだけで終わってしまいました。

コロボックル好きの私としては、『フェアリーファインダー』シリーズ《コロボックルのテーブル》にかなり期待していたのですが、娘、甥っ子の反応はさほどでもなく、私自身も、さほどの感銘もなく、こんな感じものなんだ、という印象しか残りませんでした。

この作品、特殊なコースターを動かしながら観察するとテーブルの中をコビト=コロボックルが遊んでいるのが見えるという趣向だったのですが、ここに登場するコロボックルさん、あまりに普通の人間っぽくて、小型テレビで普通の映像をみているようで、ちょっと興ざめでした。
せめてもう少し、キャラっぽい演出があったほうが、個人的には、ロマンを感じられた気がします。

娘達は、この展示よりも、映像ミュージアムの常設展の方が、面白かったようです。
特に、合成映像を体感する「空飛ぶ絨毯」のコーナーや、自分でアニメをつくることができる映像ソフトが好評でした。

一方大人はというと・・・子供の背中を追っかけていただだけで、終了してしまった感が強いです。

今回は、体感型のインスタレーションということだったので、あえて子連れで参加してみたのですが、残念ながら、子供の反応は微妙なものでした。
子供向けと一言で言っても、対象とする年齢の幅は広く、対象年齢以下の子供が、その展示を見てもつまらない可能性が高い・・・そのことを改めて痛感させられました。

展示のメイン作品である『視聴覚交換マシン』を体感していたら、また印象も違っていたのかもしれませんが、今回の体験を一言で表すならば、小規模な科学館に遊びにきた、という一言に尽きると思います。

・・・なかなか、こどもに楽しんでもらう展覧会を探すのって難しいですね。
ただ、こればかりは、実際に行ってみないとわからないことなので、これに懲りず、面白そうな展覧会があったら、今後も、足を運び続けたいと思っています。


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娘を連れて、山種美術館で開催している「夏休み企画 日本画どうぶつえん」展へ行ってきました。

娘と一緒に、本格的な美術展へ行くのは今回が初めて。
いろいろ不安はあったのですが、夏休み企画と銘打っている展覧会だし、動物画中心の展覧会ならば、動物の絵を描くのが大好きな娘の琴線に触れる作品もあるかもしれないと思って挑戦してみたのですが・・・やはり見込みが甘すぎました。

身体を動かすのが大好きな4歳児にとって、絵を見るだけというイベントは、残念ながら、魅力的ではなかったようです。
娘は、絵を見るよりも先に、会場入り口付近にあるミュージアムショップに気がつくやいなや、ショップに突進し、ショップでウサギのぬいぐるみをゲットして、イベント終了・・・となってしまいました。

しかも、滞在時間が一番長かったのは、展覧会会場ではなく、会場出口に設置してあったスタンプ台の前という結果に…orz

そんな訳で、あっという間の見学となってしまったのですが、「お願いだから、ちょっとママに付き合ってよ」と頼みこんで、なんとか会場を一周することはできたので、それで良しとするべきなんでしょう(^^;

こんな状態で、展覧会を見たというのもおこがましいのですが、一応、展示の印象だけは、書いておこうと思います。

とにかく、この展覧会、展示作品が、優品揃いでした。
正直子連れで来たことを後悔した位(^^;
一人で来て、ゆっくり鑑賞すればよかったと思わずにはいられませんでした。

子供向けと銘打った展覧会って、実は玉石混合で、レプリカ作品ばかりを並べてお茶を濁すケースも多々あります。
そんな中、本物の作品をきちんと展示している姿勢は、子供の能力を信頼し、尊重している感じがして、好感がもてました。

ただし、作品の展示位置は、ほかの大人向け展覧会と変わりなく、子供の目線を意識した設営は、なされていないようでしたし、解説パネルも(きちんと読んだわけではないのですが)、文字数が多く、漢字が多用してあるようでした。
おそらく、小学校高学年~中・高校生くらいを想定した展示だったように思います。

その結果、子供よりも、むしろ大人が、いつもと違う角度から、日本画を楽しめるように仕上がっていたように思います。


動物という身近で親しみやすい題材を、ふんだんに盛り込んだ会場は、和やかな雰囲気をたたえていました。
ネコや兎といった小動物からはじまり、馬などの哺乳動物、鳥、最後の方には、トビウオの屏風絵まであり、こんな動物もモチーフになっていたんだ!という新鮮な驚きがありました。

娘の反応が良かったのは、竹内栖鳳「班猫」や、トビウオの群れを描いた川端龍子「黒潮」屏風でしょうか。
あと、御舟の描いた蜘蛛の巣には、「きれいだねぇ。どうやって描いたの?」と関心を示し、しげしげと画面を見ていました。

私は、御舟の馬の描く過程を追った下絵を軸装した作品が、見ていて楽しかったです。
そのほか、兎の絵がいっぱい並んでいるコーナーも楽しそうで、心がなごみました。
が、とにかくチラリとしか見られなかったので、感想をきちんと書くことができないのが、残念でなりません(涙

子供と一緒に展覧会を見に行く時には、自分は見ることができないと覚悟して行かねばいけないんだということを、痛感させられました。

このように、とても充実した楽しい展覧会だったのですが、図録が作成されていなかったことだけは、とても残念でした。
子連れでゆっくり見ることができなかった親へのフォローとして、せめて、解説パネルの内容だけでも小冊子にしてほしかったなぁ・・・(^^;

時間が許せば、もう一度、今度は一人で再訪して、ゆっくり鑑賞したいと思っています。
先日ツイッター上で、板橋区立美術館で開催している「2011イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」について、行きたいけど、遠いからなぁ・・・と呟いてみました。
すると、いつも「大人絵本会」でご一緒してるたかりょんさんと村上さんから、一緒に行きましょう!という嬉しいお誘いがあり、早速行ってきました^^

ボローニャ国際絵本原画展は、イタリアのボローニャで毎年開催されている世界最大の規模を誇る絵本原画コンクールです。
子どもの本のために描かれた作品を、5枚一組にすれば誰でも応募できることから、新人イラストレーターの登竜門として広く知られています。
2011年は世界58ヶ国2836人もの応募があったとか。
板橋美術館では、毎年夏に、このボローニャ絵本原画展の入選作を展示する展覧会を開催しているのです。

私が行くのは今回が2回目。
前回行ったのは、なんと2002年のことでした。
あれからもう9年も経っているのか・・・
これを書くために、そのときの感想を読み直して、それにまつわる個人的な出来事をいろいろ思い出し、なんともしょっぱい気分になったのは内緒です。

今回、展示を見て強く感じたことは、イラストだけでは、絵本は語れないということでした。

子供と一緒に絵本を読むようになって、私の絵本に対する見方や考え方が、ずいぶん変わったせいかもしれないのですが、展示してある5枚一組のイラストを見ていると、子供がどう感じるかという視点が感じられない、技巧をアピールする作品が多いことに愕然としてしまいました。

で、イラストとしてみたらどうかというと、一枚の絵でメッセージが語りきれているわけでもない。
5枚すべてで、語っているかというと、それも微妙。

なんといっても、展示してある‘絵’が‘絵本’になって、手元にある時の姿がイメージでき、かつ、読みたい!と思う作品が少なかったことが、残念でなりません。

このコンテストに応募する人たちは、スタートラインに立ったばかりで、応募作品の中に、自分の持てる技法をすべて込めて、作品をアピールする必要があるからこその現象なんだと思うのですが、もう少し見る側が、作品に込められた物語と世界観を、共有できる作品を見たかったなぁというのが、偽らざる気持ちです。

同じ絵本原画展でも、すでに出版された作品を対象にしたコンテストの入賞作品で構成された「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」を見た時には、ここまで消化不良な気分になったことはなかったので、このあたりが、プロとセミプロの違いなのかもしれないなぁ、とも思ってしまいました。

この展示をみて、改めて、言葉が絵本に果たす役割の大きさを、目の当たりにした気がします。

一緒に見ていたお二人も、絵本好きなだけに、なんとなく、もやっとした印象をお持ちだったようです。
展示を見終わった後は、なんとも微妙ながっかり感を共有する羽目になってしまいました。

結局、この展覧会の凄さは、人材を育成するシステムを作り上げている、という点にあるように思います。
すでに30年近く定期的に展覧会を開催し続けることによって、絵本作家を目指す人たちにデビューの道筋を指南し、応募するためのサポート活動はもちろん、多彩なワークショップを開催し、技術的なバックアップ機能までも作り上げています。
実際、ここからデビューした作家さんも多数いらっしゃるようです。
そんな展覧会、他にはないですよ!
一つの美術館が、ここまでのシステムを30年かがりで作り上げた、その事実に深い感動を覚えました。

私が見に行ったのが、夏休み前だったせいかもしれませんが、来館者は、子供よりも実際に絵を書いているグラフィック系の学生さんらしき人の姿の方が、目につきました。
この展覧会の性格からいっても、それは当然のことでしょう。

親の立場として、この展覧会に娘を連れてきたいか?と考えると、残念ながら、やはり展覧会だけならば、無理して子供と一緒に行きたいとは思えませんでした。
もし行くならば、子供向けのイベントに参加して、そのついでに展示を見るのが、ベストかなぁという気がしています。
実際、子供向けのイベントも、多数開催されているようなので、娘が対象年齢になったら是非参加したいなぁと思っています(娘が行きたいと思うかはわかりませんが)

ボローニャ国際絵本原画展は、絵本の未来を担うという明確なメッセージと、将来性を体感できる場として、唯一無二の存在です。
今後も是非、末永く続けていってほしいと切に願います。