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先日ツイッター上で、板橋区立美術館で開催している「2011イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」について、行きたいけど、遠いからなぁ・・・と呟いてみました。
すると、いつも「大人絵本会」でご一緒してるたかりょんさんと村上さんから、一緒に行きましょう!という嬉しいお誘いがあり、早速行ってきました^^

ボローニャ国際絵本原画展は、イタリアのボローニャで毎年開催されている世界最大の規模を誇る絵本原画コンクールです。
子どもの本のために描かれた作品を、5枚一組にすれば誰でも応募できることから、新人イラストレーターの登竜門として広く知られています。
2011年は世界58ヶ国2836人もの応募があったとか。
板橋美術館では、毎年夏に、このボローニャ絵本原画展の入選作を展示する展覧会を開催しているのです。

私が行くのは今回が2回目。
前回行ったのは、なんと2002年のことでした。
あれからもう9年も経っているのか・・・
これを書くために、そのときの感想を読み直して、それにまつわる個人的な出来事をいろいろ思い出し、なんともしょっぱい気分になったのは内緒です。

今回、展示を見て強く感じたことは、イラストだけでは、絵本は語れないということでした。

子供と一緒に絵本を読むようになって、私の絵本に対する見方や考え方が、ずいぶん変わったせいかもしれないのですが、展示してある5枚一組のイラストを見ていると、子供がどう感じるかという視点が感じられない、技巧をアピールする作品が多いことに愕然としてしまいました。

で、イラストとしてみたらどうかというと、一枚の絵でメッセージが語りきれているわけでもない。
5枚すべてで、語っているかというと、それも微妙。

なんといっても、展示してある‘絵’が‘絵本’になって、手元にある時の姿がイメージでき、かつ、読みたい!と思う作品が少なかったことが、残念でなりません。

このコンテストに応募する人たちは、スタートラインに立ったばかりで、応募作品の中に、自分の持てる技法をすべて込めて、作品をアピールする必要があるからこその現象なんだと思うのですが、もう少し見る側が、作品に込められた物語と世界観を、共有できる作品を見たかったなぁというのが、偽らざる気持ちです。

同じ絵本原画展でも、すでに出版された作品を対象にしたコンテストの入賞作品で構成された「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」を見た時には、ここまで消化不良な気分になったことはなかったので、このあたりが、プロとセミプロの違いなのかもしれないなぁ、とも思ってしまいました。

この展示をみて、改めて、言葉が絵本に果たす役割の大きさを、目の当たりにした気がします。

一緒に見ていたお二人も、絵本好きなだけに、なんとなく、もやっとした印象をお持ちだったようです。
展示を見終わった後は、なんとも微妙ながっかり感を共有する羽目になってしまいました。

結局、この展覧会の凄さは、人材を育成するシステムを作り上げている、という点にあるように思います。
すでに30年近く定期的に展覧会を開催し続けることによって、絵本作家を目指す人たちにデビューの道筋を指南し、応募するためのサポート活動はもちろん、多彩なワークショップを開催し、技術的なバックアップ機能までも作り上げています。
実際、ここからデビューした作家さんも多数いらっしゃるようです。
そんな展覧会、他にはないですよ!
一つの美術館が、ここまでのシステムを30年かがりで作り上げた、その事実に深い感動を覚えました。

私が見に行ったのが、夏休み前だったせいかもしれませんが、来館者は、子供よりも実際に絵を書いているグラフィック系の学生さんらしき人の姿の方が、目につきました。
この展覧会の性格からいっても、それは当然のことでしょう。

親の立場として、この展覧会に娘を連れてきたいか?と考えると、残念ながら、やはり展覧会だけならば、無理して子供と一緒に行きたいとは思えませんでした。
もし行くならば、子供向けのイベントに参加して、そのついでに展示を見るのが、ベストかなぁという気がしています。
実際、子供向けのイベントも、多数開催されているようなので、娘が対象年齢になったら是非参加したいなぁと思っています(娘が行きたいと思うかはわかりませんが)

ボローニャ国際絵本原画展は、絵本の未来を担うという明確なメッセージと、将来性を体感できる場として、唯一無二の存在です。
今後も是非、末永く続けていってほしいと切に願います。


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コメント
絵本大好きです
ひま様
「2011イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」に行ったのですね!私も行きたいのですが板橋区立美術館は遠くて行くのを断念せざるをえません・・・。
絵本って奥が深いですよね☆
上野にも絵本美術館がありますが、
絵本は見ているだけで幸せな気分になります。

またブログに遊びに来ます♪
こだか様

コメントありがとうございます。
絵本は本当に奥が深いと思います。
読む度に新たな発見があるのが楽しいですよね。

上野の国際こども図書館の展示室も良い展示をしていますよね。
私も大好きな場所です^^

不定期更新のブログですが、細く長く続けてゆきたいと思っているので、これからもどうかよろしくお願いします♪
ひま│URL│08/12 00:50│編集

ひまさんの感想、ごもっとも!

私もかれこれ5回ほどイタリア・ボローニャ絵本原画展に行っています。
最初に行ったのは95年だったかしら?

その時も思ったのですが、その時以上に絵本としてではなく、イラストとしての性格が強く押し出されている展覧会になっている気がします。

子どもが読む絵本として描いているのではなく、イラストレーター、グラフィックデザイナーが絵本作家としての仕事を得るための登竜門と割り切ってみるしかないんだろうな~と。

「くっついた」などの絵本を描いた三浦太郎さんが、ボローニャ絵本原画展では子どもの視点ではなく、グラフィックデザイナーとしての本づくりしか考えてなかった、その後こぐま社で絵本を出版するにあたり、編集者と何度も何度も「こどもの本はどうあるべきか」というすり合わせをし、当初はそれが飲めずに出版を諦めかけたこともある、という話をクレヨンハウスでの講演会で聴きました。

お子さんが生まれて、また意識も変わられたようですが、とにかくボローニャ絵本原画展は、絵本というコンセプトで見ると戸惑ってしまいますね。

ブラティスラヴァ絵本原画展は、すでに絵本として出版されているものでないと応募できないので、私は同じ日に両展をはしごしてみたのですが、その違いが際立っているなと思いました^^
kako│URL│08/17 13:45│編集
Re: タイトルなし
kako様

> 子どもが読む絵本として描いているのではなく、イラストレーター、グラフィックデザイナーが絵本作家としての仕事を得るための登竜門と割り切ってみるしかないんだろうな~と。

kakoさんから見ても、やはりそういう位置づけの展覧会なのですね。
私の見方が偏っていたわけではないようで、安心しました。

三浦太郎さんの話、kakoさんのブログの記事も含めて興味深く拝見しました。
この展覧会の性質を端的に示しているエピソードだと思いました。

結局、ボローニャ展は、絵本の未来を占う展覧会ではあっても、絵本の今を示す展覧会ではない。
というのが、一番正しい位置づけかな、という気がしてきました。

今週、ブラティスラヴァ絵本原画展を私も見てきたのですが、二つの展覧会を見比べてみて、改めてその思いを強くしました。
ひま│URL│08/19 04:56│編集
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