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うらわ美術館で9月2日まで開催していた「ブラティスラヴァ世界絵本原画展 ―広がる絵本のかたち」展へ行ってきました。

スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年ごとに開催される「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」は 、歴史のある世界最大規模の絵本原画コンクールとして知られています。
実際に出版された絵本の原画を審査の対象にするため、各国の特色が際立つのが特徴です。

2000年代に入ってからは、コンテストの受賞作の原画を紹介する展覧会が開催され、このコンクールのグランプリ作品とこの展覧会に出品した日本人作家の作品プラス絵本に関する特別展示という形で、日本各地に巡回しています。
うらわ美術館もその巡回先の一つで、私もできるだけ足を運ぶようにしています。

今回の展覧会は、賞をとった作品群も見ごたえがありましたが、なんといっても見どころは、特別展示の日本のしかけ絵本のコーナーでした。
なんと、江戸末期から明治初期につくられた和本のしかけ絵本からはじまり、大正・昭和時代につくられたものまでとりそろえて仕掛け絵本の受容史を紹介いました。
和本の時代の仕掛け本など、これまで、見たことはもちろん、存在すら知らなかったのでびっくりしました。

とくに郷愁をそそられたのは、昭和40年から50年代頃に出版されたしかけ絵本のコーナー。
ここでは、仮面ライダーの仕掛け絵本や、アポロ宇宙船が月に行った頃につくられたアポロ宇宙船が月に行った時の本や、むかしのムーミンのとびたす絵本が展示されていました。
このコーナーでは、すべてのページを見ることが出来ないことに配慮して、動画で全頁を紹介してくれていたのも楽しかったです。

最近のものだとスズキコージさんや宇野亜喜良さんの「りゅうのおくりもの―江ノ島妖怪伝 」など妖怪をテーマにしたポップアップブックシリーズが目を引きました。
このシリーズ欲しい!と思ってあとで調べてみたのですが、絶版にちかい状態のようです。
本当に、絵本の寿命って短い。。。切ない話です。
そしてなんといっても、駒形克己さんの3D絵本の洗練されたセンスが光っていたと思います。
こちらも紹介しようと思ったら、アマゾンの流通経路には乗っていない本が多いらしく、ほとんど検索できませんでした。
今回の展示には使用されていませんでしたが、参考までに駒形さんの作品をご紹介します。

What color?(このいろなあに)―Learning for children (Little eyes (6))What color?(このいろなあに)―Learning for children (Little eyes (6))
(1991/04)
駒形 克己

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1 to 10(いち・に・さん…)―Learning for children (Little eyes (5))1 to 10(いち・に・さん…)―Learning for children (Little eyes (5))
(1991/04)
駒形 克己

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しかけ絵本というとなんとなく、海外の作家さんが手がけたものという印象が強かったのですが、日本に限定しても、これだけの質量が流通しており、しかも通史的に移り変わりをみせてくれる贅沢さに驚きました。
このコーナーだけでも一つの展覧会ができるのに!と思ったくらいです。
自分の手で触れる本が用意してあるもの嬉しい配慮でした。

あわせて、最先端の3D絵本という位置づけなのか、ipad用につくられた電子絵本を体験するコーナーも作られていました。
今回のグランプリ作品チョ・ウンヨンさんの『はしれ、トト!』の電子版もこのコーナーでみることができたのですが、中途半端に音や動きが盛り込まれていて、却ってそれが煩わしく感じました。
このあたりは、絵本になにを求めるかにもよるのでしょうが、紙媒体と、動くことを意識した電子絵本書籍は、別物と考えたほうがいいように感じました。
むしろ、絵を動かすとか凝ったことはせず、単純なデータ移植をしたほうが、絵本としての興がそがれないかもしれないと思ったくらいです。

今後、電子媒体が発達してゆくのは間違いないと思うので、絵本もこの流れに乗ることが求められるのは、必須でしょう。
私も、絵本は紙でなくては!などと保守的なことは言わず、電子版の方が楽しいものが出たならば、楽しめるようでありたいとは思っているのですが、この展覧会で紹介されていたアプリをみる限りでは、紙と電子版という媒体の隔たりの大きさを感じずにはいられませんでした。
過渡的な段階で断定するのは早計かもしれませんが、絵本と電子書籍って、案外、テレビゲームとアナログボードゲームのように、それぞれ独自の発展を遂げてゆくことになるんじゃないか、という気がしました。

今回の展覧会、特集コーナーがあまりにも充実しすぎていて、ブラティスラヴァ世界絵本コンクールの作品のことを忘れそうなくらいでしたが、それなりに面白い作品も登場していました。
個人的には、モンドリアンの作品をモチーフにした
Coppernickel Goes Mondrian (Coopernickel ; Artist Bribute Series 1st)という作品が、おもしろかったです。

Coppernickel Goes Mondrian (Coopernickel ; Artist Bribute Series 1st)Coppernickel Goes Mondrian (Coopernickel ; Artist Bribute Series 1st)
(2012/05/08)
Wouter Van Reek

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これ、早く日本版が出てくれないかなぁ。
子供向けのアート絵本にありがちな教育色を感じることなく、モンドリアンの配色の面白さを体感できる良書だと思いました。
あとは、ペテル・ウフナールさんの『ピーターパン』も、東欧的な配色がすばらしかったです。

うらわ美術館ではすでに終わってしまっていますが、9月8日から千葉市美術館に巡回しています。
こちらのHPには画像も豊富に掲載されていますので、そちらも是非ご覧ください。
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