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 もう2ヶ月ちかく前の話になるのですが、10月31日に神奈川近代文学館で開催された、佐藤さとるさんと末吉暁子さんの講演会に行ってきました。
 感想を書こうとずっと思っていたのですが、印象に残る出来事が多すぎて、なにから書けばよいのやら迷っているうちに、ふと気が付けばもう書く必要もないのではないかというくらい時間が過ぎてしまいました(^^;
 このまま書かなくてもいいかなぁと何度も思ったのですが、一応、ファンサイトを運営している訳ですし、遅ればせながら簡単な報告レポートをUPさせていただきます。

 この講演会は、末吉暁子さんが佐藤さとるさんをインタビュアーのようにサポートして進められる形式を取っていました。
 これは、末吉暁子さんが、以前、編集者として佐藤さとるさんの担当をしていたという関係が強く働いていたようです。そのため、編集者としての末吉さんの面影が随所に感じられた気がします。

 話は、佐藤さとるさんの子供時代の思い出からはじまって、師匠である平塚武二先生との出会いを中心とした作家修行時代の話、「だれも知らない小さな国」完成までのエピソード、佐藤さんと末吉さんの出会い、そして末吉さんが編集者として携わった「ふしぎな目をした男の子」や佐藤さとる全集完成までのエピソードなど、多岐にわたっていました。

 取り上げられたテーマの多くは、すでに佐藤さんが様々な形で活字にしていらっしゃることではあったのですが、佐藤さんのとつとつとした語り口で聞かされるエピソードは、活字で読む時とは一味違うリアリティがありました。
 なにより、活字になるときには削ぎ落とされてしまったようなちょっとしたエピソードや、佐藤さんのシニカルな一面を垣間見ることができたのも、とても楽しかったです。

 特に印象的だったのは、佐藤さんは、自分が面白いと思うことだけを書いてきたと繰り返しおっしゃっていたことです。
児童文学を選んだのも、児童書の面白さが忘れられず、児童書から卒業できなかったからなんだそうです。
“文章を書く技術は、学ぶことができるが、自分がなにを面白いと思うかという着想は、その人特有のものであり、それは誰にも教えられない。”という言葉のなかに作家としての強い自負を感じずにはいられませんでした。
 
 また、コロボックルシリーズに関するちょっとした小話もいくつか披露してくださいました。

 コロボックルシリーズは、いわゆるオープンエンド形式で終了しているため、読んだ子供たちから、話の続きが送られてくることもあるそうです。
 佐藤さんとしては、自分自身はこれ以上先のお話を書くことは出来ないが、いままでのロジックを壊さない覚悟があれば、書きたいと思う人が、どんどん続編を書いてくれてもかまわないんだそうです。
 その書けるものなら書いてみろ、といわんばかりの強気な態度の中に、おいそれとは崩すことのできない世界観を構築しているという自信を、垣間見た気がしました。
 ちょっと失礼かもしれないのですが、そうおっしゃっている佐藤さんの中に、「わんぱく天国」のカオルくんの面影がにじみ出ているような気がして、可笑しくてたまりませんでした。

 コロボックルシリーズに関する話題のなかで、一番興味深かったのは、「だれも知らない小さな国」を、仕事の合間に2年近くかけて書いたときのエピソードです。
完成にいたるまでの過程での、平塚さんとのやりとりも非常に面白かったのですが、なんといっても“あのときは、自分がいまできる最高の文章を書こうと努力をした。あの作品は、消しゴムで書いたようなものだ”という言葉が忘れられません。
 
 佐藤さとるさんのお話をじっくりと聞くのもはじめてだったし、「小さな国へのみちしるべ」をやっているおかげでお知りあうことのできた方々ともお会いできたし、とても中身の濃い時間を過ごすことが出来ました。
 お会いした皆様、どうもありがとうございました。
 会場にはいらしていたのに、お会いできなかった方もいらっしゃったようですが、またお会いできる機会を楽しみにしています(^^)
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